新型ロンドンタクシー「TX1」

旧型に比べるとやや丸みを帯びたデザインとなり、旧型の特徴だった観音開きから一般的な開閉ドアになった。ディーゼルエンジン(日産)のFR式。ガソリン仕様も発売が予定されている。
助手席はジャンプシートが備えられているが、基本的には荷物スペースのため、左リアのドアは大きい。床に2つ折りに収納したスロープは、歩道に渡して使用するが、車道等におりる際は、補助スロープを継ぎ足せるようになっている。

客席は対面式で5人乗り。後ろ向きの2席はジャンプシートになっている。車イスは後ろ向きになり、固定ベルトをキャスター部等へ掛けるようになっている。
車イスの方が乗車する場合は、シートを跳ね上げてスペースを広げる。シートは左右とも跳ね上げられる。室内高は1400mmあり、旧型より10mmほど高くなっている。

車イス使用者用ヘッドレストを必要に応じて取り付ける。なお、左リアドアは必要に応じて90度まで開けるようになっている。なお、自動ドアではない。
シート中央には折り畳み式のチャイルドシートも供えられている。

補助スロープは、直接車体に取り付けると、歩行障害の方用の補助ステップとしても使用できる。
後ろ向きのジャンプシートの左側は回転シートになっており、乗車困難な方に対応している。

「TX1」は、イギリスの『ロンドンタクシー』で使用されている車両の最新型である。イギリスでは公共交通のバリアフリー化が政府の方針で進められており、『ロンドンタクシー』は、旧型を含めて2000年中に全車にスロープの装備が義務付けられた(ただしロンドン市内には他のタクシーも走っている)。地方では2012年を目標に整備が進められている。
『ロンドンタクシー』は運転席と客席がガラスで仕切られているため、会話用のマイク・スピーカーが供えられているが、これにも聴覚障害者に対応するために「ループ」が併設されている。